もはやイタリア料理というよりインターナショナル料理として定着しているパスタ料理。一見単純そうでなかなか奥が深い洗練された料理です。パスタの種類は軟質小麦で作る北イタリアの生パスタ、硬質小麦で作る南イタリアの乾燥パスタ、形状の長いもの短いもの、空洞のもの、具を包むもの等々多彩です。形状には理由があり、それぞれに名前がついています。例えば、断面が正方形で食感にコシがあるロングパスタ“キタッラ”はイタリア語でギターの意。ギターのような弦を張った道具で成形されるのでこう呼ばれます。
パスタ料理に使える食材は無限で国籍を問わず、和風パスタのバラエティーも広く知られています。そしてパスタ料理の重要なコツは、アルデンテに茹でたパスタとソースに茹で汁を適宜加えながら手早く和えること。この瞬間、ソースのオリーブオイルが乳化され、パスタ、具、ソースが三位一体となります。絶妙の相性の一品はまさにイタリア芸術!? だから私は五感を総動員してパスタ料理に取り組みます。
子どものころ、パスタといえばスパゲティのことだった。それもナポリタン。イタリアには存在しない日本独自のメニューだが、当時はナポリ名物だと思い込んでいた。 母の作ってくれるナポリタンには、タマネギやニンジンなどの野菜、ソーセージやベーコン、そして大きめの炒り卵が入っていて、卵好きの私は炒り卵だけを集めて最後に味わっていた記憶がある。口の周りをケチャップで汚しながら。